年齢の進行などにより、多くの人が老眼の症状を経験しています。老眼はときに、疲労や肩こりの原因になることがあるため、適切な対策を行うことでその影響を軽減できるでしょう。この記事では、老眼で疲労が発生する原因とその対策について詳しく解説しているので参考にしてください。
老眼で目や身体が疲れる理由
老眼が進行すると、目や身体の疲れを感じる場合があります。そのまま何も対策せずに疲れを無視していると、頭痛や肩こりの原因となることもあります。老眼による疲れの原因を把握することは、適切な対策を講じるために重要です。
老眼における疲れの主な原因のひとつは、対象物に焦点を合わせるために目の筋肉を収縮し続けることです。この長時間の収縮は目の疲れを引き起こし、不快感や違和感をもたらします。
また、実際に見えている像と脳が認識する像の違いでもたらされる疲れも原因のひとつです。老眼になると、物が見えづらくなりますが、脳は見えている像の色や形を無意識に補正して、正しい情報として解釈しようとします。この脳の過度な作業により疲労感が生じ、頭痛などの症状につながることがあります。
これらの要因が、老眼により目や身体の疲れが引き起こされる理由です。適切な対策を講じるためには、疲れが発生する原因をしっかりと把握することが重要です。個々の状況に合わせた正しい対策法を実行していきましょう。
老眼鏡による目の疲れの原因とは
皮肉なことですが、老眼による悪影響を補正するために老眼鏡をかけたことが原因で、疲れが発生してしまうケースもあります。目の疲れの原因のひとつは、老眼鏡を初めてかける際、メガネに慣れていないことです。従来と見え方が異なるため、疲れが発生することは想像しやすいと思います。
ほかに考えられる要因は、老眼鏡の度数が適切でないことです。既製品の老眼鏡は、一般的な度数に固定されており、個々の目に完全に合ったものではありません。合わない老眼鏡を使用し続けることで、目の疲れや頭痛、肩こりといった不快な症状が発生することがあります。
また、老眼鏡のフィッティングが合っていないことも目の疲れの原因となります。メガネをかける際には、レンズと目の距離を適切に保つことに加え、レンズの中心と黒目の中心を合わせることが重要です。
はじめのフィッティングが正しく行われていない場合や、使用を続けるうちにフレームが変形してしまうと、正しい位置からずれが生じて見え方に悪影響を及ぼす可能性があります。ずれが発生すると物が歪んで見え、適切な補正ができないなど、老眼鏡のレンズ性能を最大限に発揮できません。
フィッティング状態は見え方に大きく影響を与え、結果として目の疲れや肩こりにつながる場合があるため注意が必要です。
自分の目に合った老眼鏡が大切
老眼鏡による疲労や肩こりは、度数やフィッティングが適切でない場合に引き起こされる場合があることがわかりました。したがって、老眼鏡を選ぶ際には、自分のニーズに合わせて適切なものを選ぶことが非常に重要です。
老眼鏡と一口にいっても、遠近両用メガネと中近両用メガネなど、さまざまな種類が存在します。遠近両用メガネは外出時や旅行、アウトドアなどに適しており、中近両用メガネは家事などの屋内作業に向いています。
また、遠近両用レンズには累進レンズと二重焦点レンズのふたつがあり、使い方が異なるため、ニーズに合わせて選択しなければなりません。
累進レンズは遠近の境目が滑らかに移行する特徴があり、一方で二重焦点レンズは遠方と近用のレンズが明確に分かれて設置されています。現在は主に累進レンズが使われていますが、周辺部に歪みが生じることがあるため、慣れが必要です。
周辺部の歪みが疲労につながる可能性もあるため、不安な方は二重焦点レンズを選択しましょう。しかし、二重焦点レンズはひと目で老眼鏡だとわかってしまうため、抵抗がある方もいるでしょう。ニーズに合わせた選択が必要です。
さらに、老眼の進行にともない見え方も変わるため、老眼鏡が合わなくなったと感じたら、新しいものに作り変えることを検討しましょう。老眼は通常45歳を過ぎてから始まり、55歳ごろまで進行する傾向があります。したがって、2〜3年ごとに定期的な視力検査を受け、自分に合った老眼鏡にその都度買い替えていくことが大切です。
専門家から丁寧にアドバイスを受けられ、自分の目に合った最適な老眼鏡を提案してくれるメガネ専門店などに相談することをおすすめします。
まとめ
老眼による疲れは、見えにくいものを無理に見ようとするために筋肉が収縮し続ける働きや、脳の過度な補正によるものです。また、老眼鏡を使用する際にも度数があっていない場合や、フィッティングが適切ではない場合には疲労や肩こりにつながってしまいます。したがって、老眼鏡はかければ疲労が解決するわけではありません。
老眼による目や身体の疲れを軽減するためには、適切な老眼鏡の選定が大切です。自分が何を求めているのか、ニーズを把握して老眼鏡を選びつつ、正しい度数やフィッティングができているか確認しましょう。専門家のアドバイスを受けながら、定期的な視力検査と対策を行うことも大事です。老眼鏡を正しく使い、快適な生活を取り戻しましょう。